2018/02/21

『地下鉄道』コルソン・ホワイトヘッド

久しぶりに、読むのを止められない小説に出会った。
19世紀アメリカの逃亡奴隷を手助けする地下組織「地下鉄道(Underground Railroad)」を、文字通り地下を疾走する鉄道として描いた長編小説。
奴隷の生活は取材を重ねた事実にもとづいて構成され、随所に挟み込まれる逃亡奴隷の手配書などは実際のものをそのまま引用しているそう。
テーマは重く、ずっしり……。だが、逃亡劇のあいだに、奴隷をめぐる登場人物の内面を丁寧に描写した章があり、逃亡劇のハラハラと人物描写の味わい深さのミルフィーユ状態で、一気読みしてしまった。

コーラはランドル農園の奴隷だ。身よりはなく、仲間たちからは孤立し、主人は残虐きわまりない。ある日、新入りの奴隷に誘われ、彼女は逃亡しようと決意する。農園を抜け出し、暗い沼地を渡り、地下を疾走する列車に乗って、自由な北部へ…。しかし、そのあとを悪名高い奴隷狩り人リッジウェイが追っていた!歴史的事実を類まれな想像力で再構成し織り上げられた長篇小説。世界を圧倒した奴隷少女の逃亡譚。ピュリッツァー賞、全米図書賞、アーサー・C・クラーク賞、カーネギー・メダル・フォー・フィクション、シカゴ・トリビューン・ハートランド賞、レガシー・フィクション賞、インディーズ・チョイス・ブック・アワード受賞!ニューヨーク・タイムズ・ベストセラーAmazon.comが選ぶ2016年のNo.1。
amazon「BOOK」データベースより引用