2010/09/07

閉店

バーンズ・アンド・ノーブル(Wikipedia)が閉店を決めたそうだ。

driven out by high rents, the company announced on Monday.

Barnes & Noble to Shutter Lincoln Center Store - NYTimes.com


記事では、高い賃料が原因だそう。一体、賃料はいくらくらいなんだろう。
大型書店に行くと、やっぱりその場を歩きながら、いろんな本を眺めるのはすごく楽しいし、驚くような出会いがあるものだなーと思っていたけど、それは高い賃料や、売り場づくりの努力に支えられている、もしかしたら今後は簡単には望めない貴重な体験なのかもしれないと思った。

閉店つながりで、最近、HMV渋谷が閉店した。そのことを「やっぱり配信で買う人が多いのかな」なんて、簡単に考えていたけど、このブログを読んで、それだけじゃない、いろんな問題が複合したものなんだな、と思った。

閉店を発表する少し前、HMVの顔である渋谷店は大々的なリニューアルをした。その新装オープンに期待をかけた僕は、早々に足を運んで、絶句した。
リニューアルしたその店は、もう、ただ床面積の広いだけの、巨大な無個性店に変わり果てていた。
前述の看板設置スペースをいたずらに増やし、所蔵枚数をストックする棚を大幅に減らし、忘れ去られるべきでない過去の名番や、売れはしなかったが歴史を変えた名作は、ことごとく店頭から姿を消し、大型店の最大の喜びであるはずの、自分の為の一枚を探し出す楽しみを僕らから奪ってしまった。
この時、僕は、この店の終焉を確信した。

レーベル運営の悲喜交々:HMV渋谷閉店にまつわる僕の見解 - livedoor Blog(ブログ)


僕は、本が好きだけど、こういう売り場の楽しみは、主に古書店に行く時に感じていたように思う。外房の小さい町出身だから、大きい書店なんてなくて、小さい古書店のカオスが楽しかった。

一生かけても読み切れない量の本が世の中にあるのに、今、ここに、この本がある。ちょうど読みたかった本、しかもワゴンで100円!なんていう楽しみ。10冊少ししかない外国文学のコーナーにすごく面白そうな本を見つけて、すごくうれしくなるような。

でも、学生のころに行った書店で、そういう楽しみを求める気持ちも少し冷めてしまった。だいぶコンディションの悪い、昔から読みたかった本を見つけてレジへ持っていったら、値札が付いていなかった。
店番をしていたおばちゃんは、しばらく値段を探してから、ネットで価格を調べ始めた。しばらくして、「へー、この本高いのねー」と言い、定価の半額を告げた。

店主が不在の時の販売のオペレーションなのかもしれないけど、なんというかそういうことをされると、幻想が冷めちゃう。ネットで買える値段に揃えられてしまうなら、そっちで買うよ。ぼろい本なら、すこしでも値段に手心を加えるような、なんかそういうイベントが欲しいのに(もちろん、そんなことしないよってお店もあるだろうけど)。

こういう古書店普通なのかな。
近所にあるお店は、ホームレスの人が集めてきた漫画雑誌を大量に買い取って売りさばいてるし(買取カウンターにしょっちゅういる)、嫁がその店の本を買おうとレジに持っていったら「この本は買取できるレベルじゃない」って言われたらしいし(そんなん売るなよ)。

帰り道にフラッと寄るのが好きなんだけど。面白いお店に狙って行かなきゃだめだね。

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